Chapter:EX-15 クラトスルートのススメ

クラトスルートのメリットとデメリットなど。ゼロスルートしか行った事が無い方も一度はクラトスルートへ進んでみましょう、というお話。

クラトスとゼロス。終盤この2人のどちらを最終メンバーとして迎え入れるかによって、後のストーリー展開が大きく変わってしまう。少し程度は違うが、スパロボで言えば以下に匹敵する位の分岐点なのである(今回の場合一番近いのは1の強化人間ズか6のトッドだろうな)。それを考慮すれば、なりダン3で2人同時に最後まで使うことが出来るのは非常に嬉しい。

  1. フォウとロザミアのどちらを取るか(4次…に限らず他シリーズでもあったような)
  2. エルチをWMのパイロットにするか、アイアンギアーのサブパイロットにするか(アルファ外伝)
  3. ティファをガロードの精神コマンド係にするかしないか(コレもアルファ外伝)
  4. シュウを仲間にするか、ネオグランゾンに乗ったシュウ×3と戦うか(4次S)
  5. エヴァ初号機の暴走を5回以下に抑えて通常ルートEDを迎えるか、5回以上暴走させてエヴァルートに進みバッドEDにするか(F完)
  6. トッドを仲間にするか、ハイパー化させて死なせるか(F・F完)

話をシンフォニアに戻してココからが本題。普通にプレイすれば、大抵の人は「コレット1位エンディング前提ゼロスルート」になり、まずゼロスが残るはずである。コレット1位EDは王道と言えば王道であり、小説版シンフォニアも(結城版・久遠の輝き共に)エピローグはコレットEDベースであるので、必見と言ってもいい位だ(…と言いつつ私はパパンEDとアホ神子EDしか見ていないが)。

ところが、である。先日休刊になってしまった「ザ・プレイステーション」(ソフトバンク)で連載していた「テイルズステーション」内「TOSキャラビジュアル」のゼロスの回にて、吉積プロデューサーが「シンフォニアの真エンディングはクラトスルートなんです」とぶっちゃけてしまってるのである(1)。要するに、ゼロスルートEDだけではTOSをクリアした事にはならない…とでも言いたいのであろう。…ファーストプレイでクラトスEDを見た自分には関係ないですが(殴)。

しかし、以下の理由にて一度もクラトスルートに進んでいない、あるいは「(※先の展開が辛くて)クラトスルートに進めない!(涙)」というプレイヤーだって少なくは無いのだ。

  1. 2人とも大好きなのだけど、どちらかといえばクラトスよりもゼロスが好き。
  2. ゼロスのEXスキル「パーソナル」があまりにも使い物になり過ぎてもう手放せない。
  3. ゼロスの方が称号・サブイベント・スキットの数が多いから。
  4. パパンの好感度が低い為、フラノールでデートのお誘いに来てくれない(PS2版)。
  5. 秘奥義はゼロスの方が使いやすいから(PS2版)。ディバイン・ジャッジメントなんか、詠唱時間の長ささえ気にならなければ使い勝手良過ぎだしね…
  6. ジャッジメントの有無でクラトスを取る必要が無くなったから(PS2版)。

PS2版で特にありがちなのは4だろう。GC版では、どんなに好感度が低かろうと必ずクラトスは誘いに来る為で、GC版ではクラトスの好感度は余り重要ではなかったりする。ところがPS2版ではこのシステムが撤廃されたらしく、クラトスも好感度3位以内に入っていないと誘いに来ないので、PS2版でクラトスルートに進むには、クラトスの好感度が重要になってくるのである。

その次にPS2版でありがちなのは5と6(実際ウチの弟がそうだった)。GC版では秘奥義はイセリア3人組にしかなかったのだが、PS2版ではしいなを除く全キャラに秘奥義が1種類あるいは2種類用意された。クラトスの秘奥義はシャイニング・バインドのみで、更には称号を「ジャッジメント」にしていること、ロイドがマテリアルブレードを装備していないこと(またはロイドがパーティ内にいない)…という発動条件がある為、気楽に使えないというデメリットがある。対してゼロスはシャイニング・バインドに加えてディバイン・ジャッジメントを持っており、シャイニング・バインドの発動条件では称号やロイドの有無に左右されないので多少は出しやすいという事と、ディバイン・ジャッジメントの使い勝手が良いという利点がある。

PS2版・GC版両方に共通して最大の理由になり得るのはやはり「パーソナル」(EXスキルLv2)の性能差だろう。クラトスのパーソナルは「移動中、一定時間エンカウントしないでいると徐々にHPが回復」という効果なのだが、ゼロスのパーソナルは「パーティトップにした時に女性と話しかけるとアイテムやガルドを貰う事が出来る」なのだ。更に運を90以上にすると「レアペリット」「トリート」「アワーグラス」といった貴重な消費アイテムを高確率で貰えるので、これ目当てでゼロスルートへ進むというプレイヤーもいるのではなかろうか。

以上を考慮すると「クラトスルートへ進んでもメリットなんて無いじゃないか!ゼロスも死んじゃうし!(泣)」というオチになるだろうが、クラトスルートだってデメリットばかりではないのである。中でもPS2版での「禁書の記憶」は、クラトスルートでないと話の展開が「???」なサブイベントだからだ。以下、クラトスルートへ進んだ時のメリット・デメリットを記す。

メリット

  • いくつかの疑問点が判明する(これ一番重要)。アンナさんやノイシュの事、クラトスがテセアラを回っていたその理由など。
  • 命中以外の基本パラメータがゼロスよりも高い。初めて禁書に入って3英雄戦を迎えた時(PS2版)や、アビシオンと戦った時にその違いが顕著に現れます(2)。
  • クラトスルート専用サブイベントが発生する。全てクラトス(またはクラトスとロイド)に関するものなのでクラトスファンは必見なり。なおPS2版では、サブイベント「決闘!評決の島」の結果次第でコスチューム称号「ダイマジン…?」(ロイドとペアルックの和服)を得る事も出来る。
  • 再加入後に無条件で(←ここ重要)ジャッジメントを習得する。GC版では習得できなかったゼロスも、PS2版では一騎打ちイベント後に習得可能になったが、秘奥義シャイニングバインドを発動しないと覚えないので、手間が掛かる。
  • アクセサリ「フェアリィリング」(TP消費量が1/2減少)を装備した状態で再加入する。ちなみに、再加入時の装備はイセリア人間牧場でスポット参戦した時の装備とほぼ同じ(※武器がフランヴェルジュではなくなっている事を除けば全く同じである)。

萌え要素(笑)なメリット

  • ロイドと2人っきりな場面を堪能できる。PS2版では更にそれが増えているので、クラロイ派な方には最大の萌え要素かと思われ(笑)。
  • 「クラトスの秘密5」「伝説の一騎打ち」「ネオルイン誕生」(※クラトスの秘密5以外は全てPS2版限定)で、普段はクールで無愛想なクラトスが正直に感情を表現。クラトスがエモーショナルバルーンで冷や汗たらしたり照れたりするシーンが見れるのは、後にも先にもクラトスルートだけ。
  • 人目を全く気にする事すらなく親バカパワーを炸裂させる(アイフリードの宝は特に)クラトスはあるイミ見物。特にPS2版ではイベントが追加されているので見る機会は必然的に多くなる。アルタミラで起こるイベント(特に遊園地イベントと宿屋イベント)は、ヴェントヘイムで決意表明をするまでは見ない方が吉。
  • 水着イベントにて、ロイドがスイカ割りを誘ってきたのを見て「剣術の修行か?」と素でボケるクラトスを拝む事が出来る(笑)

デメリット

  • ゼロスが死んでしまう。その為、ゼロス生存時限定イベントが発生しなくなる。…とはいえ、ゼロスが生存している時しか見れないサブイベントは全て救いの塔に入る前に起こせるものばかりなので、発生させるタイミングさえ間違えなければ気にする程でもなさそうだが。
  • ヘイムダールの宿屋イベントが発生しない。因みにクラトス以外のメンバーとフラノールでデートした時には、ヘイムダールで宿屋イベントが発生する。
  • トレントの森での一騎打ち前の会話が、クラトスとロイドだけになる。ゼロス生存時の場合は、フラノールでデートをした相手がロイドに精神コマンド「激励」をかける(笑/精神コマンドは嘘だがロイドを言葉で激励するのは本当)。
  • 好感度に関係なく、オリジンと契約後にミトスに憑依されるキャラがコレットで固定されてしまう。因みにゼロス生存ルートの場合はフラノールでデートをした相手がミトスに憑依される。
  • コスチューム称号が少ない。PS2版ではロイドとペアルックな和装が追加されたものの、それでも2着。GC版だとジャッジメントしかない(泣)。水着とは言わないから礼装が欲しかった…
  • 長い事パーティから離れている為、再加入した時に術技の使用回数が少ない(主に1周目)。故に最後の最後になって漸く紅蓮剣を覚えたりする事も。しかし2周目以降はグレードショップで「使用回数引継ぎ」を購入すればその問題もなくなるので、特に気にする事でもないかもしれない。
  • 闘技場シングル上級をゼロスがいる時に全員クリアしていない場合、クラトスでクリアしてもセレスが登場せず、ラストフェンサーを手に入れる事も出来なくなる(自分やってしまいました…泣)。

その中でもゼロスが死亡すると言うのは一番大きな打撃であろう。しかしゼロスが死なないとクラトスを迎え入れる事は出来ないので、泣く泣くゼロスを殺らねばならず…。どうして9人パーティはダメなんだよぅ(泣)もしゼロスを殺るのが忍びないと言う方は、クラトスルートとゼロスルートにセーブデータを分けてしまうのも手。私の場合はクラトスも使いたい為にクラトスを不動の好感度1位で終盤まで持ってきているので、3周目以降はセーブデータを分ける様にしています…

しかしシンフォニアのストーリー本編を理解する上でクラトスルートは重要。たとえゼロスを死なせる結果になったとしても、話を理解するためにはクラトスルートは一度でも見ておく必要はある。シンフォニアはぱっと見ただけではロイドとコレットを主軸にストーリー展開していると見えるが、実際にはロイドとクラトスが主軸となってストーリー展開をしているのではないのか、とも思うのである。何しろロイドの過去が明確に語られる事になるのはクラトスとデートする時であり、ロイドに直接関係するいくつかの謎も、クラトスルートに進まない限りは一切語られないからだ。そして見方を変えれば、敵として立ちはだかる一方でエターナルリングの材料を探し求めつつロイドを援護するクラトスも、ある意味もう一人の「主人公」と言えるのではなかろうか。「君と響きあうRPG」というのはシンフォニアのキャッチコピーだが、ロイドが真の意味で響きあう相手はコレットではなく、実はクラトスなのかもしれない(※あくまで純粋な意味で捉えてください)。

クラトスとゼロスの好き嫌いやメリット・デメリットに関係なく、ゼロスルートしか見ていない方は、「シンフォニア」という名の調和の物語をより深く理解するためにも、一度はクラトスルートでクリアされる事をお勧めしたい。

  1. ただしこれはあくまでGC版が出た当時の話であり、その後発売されたファンダム2やラタトスクでの展開から、現在はコレットEDが正規ルートと定義されている
  2. ゼロスよりもクラトスの方がやや打たれ強く、ラストフェンサー装備のゼロスよりもエクスカリバー装備のクラトスの方が若干攻撃力が高い様に感じる。 …ただのプラセボかもしれないけど
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