メギド72ってこんなゲームなのです
元ネタは中世ヨーロッパで流行したグリモワールから
物語は、メギド(悪魔)とハルマ(天使)の最終戦争「ハルマゲドン」の危機に瀕している、ヴィータ(人間)の住む世界「ヴァイガルド」が舞台。伝説の「ソロモンの指輪」の力を顕現させた少年(主人公)「魔を統べる者」が、彼の召喚に応じた72の祖メギドたち(1)とともに、世界を破滅から救う旅へと向かう…というもの。
この作品は中世ヨーロッパで出回っていたグリモワール(魔導書)「レメゲトン」を構成するもののひとつ「ゴエティア」を原典として作られたソシャゲなのですが、実際には他宗教の悪魔や天使・堕天使も登場します。なお「ソロモン王と72の悪魔(あるいは72柱の魔神)」という題は現代日本の通俗的な書籍で付けられたもので、レメゲトンやゴエティアの和訳ではないことに注意。
まるでコンシューマーゲームのような、ソシャゲらしからぬ歯ごたえ
ゲームシステムとしては、5人編成のPTを組み、戦闘画面中央にランダムに現れる3種類の「フォトン」と呼ばれるアイテムを敵と味方で取り合い、取ったフォトンに応じて発動するキャラ専用の技を使って戦うRPGです。編成は必ず5人でなくてはいけない訳ではなく、必要に応じて4人編成にしてみたり3人編成にしたりと自由。中には単騎特攻で高難易度クエストに挑む猛者もいます。また敵がどんなフォトンを取って行動してくるかを常に考えながら戦う必要があるのでめちゃくちゃ頭を使います。
アプリの提供元がDeNAなので「これもガチャ引きまくってナンボの重課金前提ガチャ脳死ゲーか…」って身構えちゃうのですが(実際FFRKがそんな感じなので)、実は逆なんです。これから追々説明しますが、このゲーム基本的に難易度が高いので脳死プレイは無理ゲー。レベル上げなきゃクリア出来ないし、レベルが高くてもメギドの組み合わせ次第ではジリ貧になったり、最悪全滅にまで追いやられる。逆にレベルが低くてもメギドの組み合わせが良ければ低レベルクリアも可能…という、まるでPS2時代のコンシューマーゲームのような遊び方を必要とされるソシャゲです。
メギド72のここが良いのです
キャラクターにレアリティがない
ガチャでユニットを集めるタイプのソシャゲ(ゆるドラとか)によくありがちな「☆4止まり」「☆5止まり」といったレアリティの壁が存在しません。配布であってもガチャ産であっても全員等しく☆1からのスタートになります。また一番最初に引ける10連召喚は自分の欲しいメギドが揃うまで何度でも引き直せるため、リセマラの必要がありません。ただメギドのガチャは後述するように闇鍋なので、排出されるメギドの数は多くても4体くらいで、最初の10連ではMAXでも3人までしか出ません。とはいえ、全てのメギドが最高レアリティの☆6まで成長可能であり、どのメギドも使い方次第で大きく化けます。また配布メギドとガチャ産メギドとの能力差もほとんどないので、「明確なハズレキャラ(いわゆる産廃)がいない=全てのメギドが何かしら活躍できる場が必ず存在する(メギドがいればいるほど戦略の幅が広がる)」のです。
周回が苦行にならない(メインクエスト・財宝クエスト・メギドクエストのみ)
一度でも金冠(全員生存)でクリアすれば、以降は「攻略チケット」でラクラク周回することが可能になります。素材集め周回だけでなく、低レベルのメギドの育成目的での周回にも使えます。なお攻略チケットの入手方法は以下の通り。
- メインクエストの各ステージを金冠でクリア(ノーマル4枚・ハード6枚・ベリーハード8枚)
- 財宝クエスト・イベントクエストの各ステージを金冠でクリア
- ゴルドショップで購入する(6時間毎に4〜6枚)
- 魔宝石(有償石)購入時のおまけ(全セットに付属・1枚〜最大150枚)
- メギドの塔に行かせる(ランダム入手・低層周回で稼ぐのがおすすめ)
- ログインボーナス(毎朝4時に更新・約5日に1回ペースで支給)
- 育成応援ログインボーナス(5枚x10日間のログボを2〜3週間おきにSTドリンク50×2と交互で実施・実施時は毎朝4時に更新)
ただ、素材周回時だと攻略チケットだけじゃなくてSTドリンクもくれよ!ってなるケースも結構な割合で出てくるのが悩みどころ。
ガチャの当たり(メギド)の提供割合が高め
メギド72のガチャはメギド・オーブ全部ごたまぜの闇鍋タイプなのですが、前述の通りメギドにレアリティがなく産廃もほとんどいないので、メギドが出れば当たりと言えます(ただし既に持ってるメギドが出る場合も)。また初心者向けに、10連召喚で必ず1体はメギドが確定する「メギド確定召喚」(4回まで)があるので、ここでもメギドの数を増やすことが出来ます。
通常、メギドの提供割合は5%ですが、月に1回開催される「激☆魔宴召喚」(以下サバト)では10%に引き上げられます。またサバトでは魔宝石で引いた場合に限り、1回引く毎にメギドの出現率が上がり、30回引いた時点で1体もメギドが出ていなければ最低1体はメギドが確定するという、いわゆる「天井」が設定されている(2)ので、もし課金をするならサバト開催時が最適でしょう。
なおサバト非開催時には通常のピックアップ召喚を開催しています。種類的には
- 「復刻イベント連動ピックアップ(3)」
- 「10連限定でエンブリオ若(4)のおまけ付き」
- 「新メギドorリジェネレイト参戦ピックアップ」(新イベントで登場したメギドのピックアップ)
- 「専用の技の特性に特化(かばうや束縛技など)or特定のタクティカルソート(点穴やバーサークなど)に対応したメギドのピックアップ」
- 「季節柄(正月・ジューンブライド等)に合わせたメギドのピックアップ」
- 「日替わりで対象の真メギドorリジェネレイト体のみピックアップ(響☆魔吊召喚)」 ※このPUのみメギドの提供割合が低下する(4%)
- 「トンチキピックアップ」
…に分類されますが、一番最後が開発チームのUIデザイナーが引くレベルでトンチキ過ぎて、特にインパクトの強いものはtwitterのトレンドに入ったりしていました(5)。ただピックアップ対象の中にどうしても欲しいメギドがいない限りは、ピックアップ召喚を引くメリットはほとんど無いです。
ただ闇鍋だというのに、当たり(魔鏡)の排出率が同じ5%なレイズのピックアップよりも当たりが出やすいのはなんでなんだろうな…
初心者にも優しいイベントクエスト
イベントクエストでは毎回、イベント限定の強化効果が用意されていて、強化効果用のフォトンを配分することで、そのイベント攻略時のみメギドの能力を強化してくれます。これにより、始めて1週間足らずの人でもイベント配布メギドを仲間に出来る所まで進められますし、頑張ればその先のエクストラステージもクリアする事は可能。また強化効果を上げれば上げるほど交換用アイテムの獲得数も増えるし、メイン同様各ステージ初回クリアで魔宝石がもらえる(さらに金冠だと+攻略チケット)ので、まだ始めたばっかりだから…と、イベントをやらないのは大損です。イベント配布メギドも有能キャラだらけなのでやらなきゃマジで損する。
PVPが必須コンテンツじゃない
このゲームもソシャゲの例に漏れずPVP(コロシアム)が存在するわけですが、ミッションの事を考えなければ完全にスルーしていい存在なのがありがたいところ。フレンド機能もない完全シングルプレイゲーなので、PVPさえやらなければ変な焦りも感じないです。
3Dモデルが高品質過ぎてもはや変態じみている(褒め言葉)
イラストと3Dモデルとを比べると「なんか違う…」っていう違和感が全く発生しない。というか驚異の再現度で全私が泣いた(死語)。
あと頭の天辺からつま先までヌルヌル動くんですよ、どのキャラも。グラフィックもモーションも独自の開発エンジンのおかげでPS3レベル相当のクオリティを保ってるとか。しかもモデルを動かすのに入れるボーンが平均100本前後で、更にアラストールは239本組み込んだと開発スタッフが明かしてて「ヒエエエ…」ってなった記憶。…で、だ。おっぱいがそれなりにある女性メギドは当然「乳揺れ」もする(しないメギドもいる)んですが、これがスパロボやムゲフロのようなくっっっっっっそ不自然な乳揺れじゃないんですよね。大げさな揺れ方をしないというか。ただ、甲冑着てるシトリー(カウンター体の☆6は除く)やブニ、プロテクター付けてるレラジェ(ラッシュ体除く)のおっぱいまで揺れるのはどういう原理なのw(シャックスは揺れてないのに)
そして乳揺れだけでなく3Dモデルの細部の作り込みハンパない件。布部分のヒラヒラ動く部分の作り込みはもとより、特にシャックスの水着モデルの作り込みとかブニのニーハイの食い込み処理とかはもはやハイスペックの変態レベル。
驚異の軽量っぷり

あんだけ3Dモデルがヌルヌル動きまくるのにもかかわらず、容量が「テイルズ オブ ザ レイズ」の約半分なんですよ…。怖い。しかも長時間起動してても全然もっさりしないというかする気配がない。
ストーリーが良い&BGMが神
メインクエスト中盤以降の伏線回収が実にお見事としか言いようがない。ストーリー自体はもともとの原典である「ゴエティア」の内容とはそれるものの、なかなか気づきにくい細かいところにまで原典からの引用が見られます。またイベントクエストのストーリーの質も良く、しばしば「劇場版メギド72」と評されるレベル。時々過去イベントやっていないとわからない話も出ては来ますが、比較的短いスパンで復刻開催しているので気にするレベルではないかと。
そのストーリーを彩るBGMも素晴らしく、一部は開放条件を満たせばアジト(1章ステージ2-1クリア後に開放)のBGMとしても使えるようになります。ホーム画面、マップBGM、戦闘曲、どれをとっても神がかってるのです。しかし何よりも凄いのはこのBGM集を有料販売ではなく公式ポータルで無料公開しているということ。思わず「馬鹿なの?」(byウェパル)と言ってしまうレベルで商算がない…!
公式ポータルが初心者に優しすぎる
普通、スマホゲーの公式ポータルの機能といえば実装されているユニットのステータス&グラと、簡単なチュートリアルくらいなのですが、メギド72の公式ポータルはメギド・オーブの詳細なデータ(データベース検索対応)や豊富過ぎる量の各種サポートコンテンツに加え、なんとメインクエスト2章までの攻略情報まで公開しているという至れり尽くせりなのです。最序盤のみとはいえ、初心者向けコンテンツにメインクエストの攻略情報を載せてる公式サイトなんて初めて見たぞ…。
なお3章以降のメインクエストやイベントクエストの攻略情報は、有志で作成したWikiが公開されています。
メギド72のここはちょっと問題なのです
戦闘システムを理解するのに時間がかかる
特許を取得しているというメギド72の戦闘システム、最初のチュートリアルで全てを理解するのははっきり言って無理ゲーです。自分も理解するまでに時間がかかりましたし、フォトンの割り当てなんかは今でも悩む…。フォトンの振り分け以外にもマスエフェクトやらスタイルやらクラスやら、他の要素も考慮しないと勝算がなくなるわけで。闇雲に強キャラだけで組めば勝てる戦闘システムではないので、初心者にはとっつきにくい要素になってます。
ストーリーが重すぎる
この作品、いわゆる「ダークファンタジー」という部類なのでとにかく重いし暗い。
なんせ開幕5分で村が燃えるし、最序盤から容赦なくモブキャラが大量に死ぬ。またストーリーが進めば進むほど残酷描写も散見されるようになるので、耐性のない人には正直キツイ。あとロリショタの扱いがベリーハード過ぎる。
ガチャが闇鍋なのでメギド・オーブの被りが増える
所持メギドの数が増えると、いくらメギド提供割合2倍のサバトで引いても被りしか出ないケースも出てくるようになります。一応、被りが出た際の救済措置は用意されている(6)にせよ、あまりにも被りまくると流石に凹みます。またサバトで引いてもメギドが全く出てこないオーブだけのケースもあるわけで、メギドの数を増やしたい人にとっては地獄。
メギドの育成には時間がかかる
様々な素材を集めて進化→レベル上げ→進化…というサイクルを☆6になるまで繰り返すので、即席で最強PTを作って脳死ゲーしたい人には向いてません。こればっかりは課金ではどうしようも出来ない部分なので諦めろ。
逆に言うと、自分のペースで気長にゆっくり育てたい、育成自体を楽しみたい人にはうってつけといえます。ただ進化には「エンブリオ」という専用素材が途中で必要になりますが、入手経路が限られています。またメインクエスト配布メギドの一部は、進化にエンブリオが要らない代わりに、大幻獣討伐で入手できる素材が必要になります(対応するメギドもそれぞれ決まっています)。1回の討伐では必要数が手に入らないばかりか、レアリティが上がると高難易度でないと入手できないレア素材をより多く要求してくるようになるので、討伐クエストは総じてエンドコンテンツになりがちです。そういう意味でも気の短い人には向いてません。
レア素材のドロップ率が低い
メギドの育成に時間が掛かる第2の要因がコレです。例えば、1章で入手できるレアアイテム「猛虫の触覚」(銀ボスドロップ素材)は、低レアリティの段階から要求してくるメギドがかなりいるにも関わらず、難易度ベリーハードでやってもドロップ率が微妙に低いのです。これを除くと入手出来るのは4章と6章で、こちらは銅レアになるので幾分か落ちやすくなりますが、これだけの為に周回するのはスタミナ効率的にはあんまり良くないので、結局1章のベリーハードでひたすら周回する羽目になります。逆に、1章のレア素材「キマイラの羽根」(銅レアドロップ)と「獣人王の剣」(金レアドロップ)は、スタミナ効率的には1章のベリーハードを回す方が良いですが、6章で大幅にレア度が下がるので、こちらを回して大量ストックを作るのもアリっちゃあアリです。
最も困るレア素材として「ゴールドオイル」と「青真珠」です。こちらは探索でも入手出来ないので、メインクエスト(4章以降)またはショップでの入手が基本になります。特に青真珠はウェパルとブエルが、ゴールドオイルはサラとダゴンが、それぞれ大量に要求してくるので、当該メギドの育成が停滞する最大の要因になっています。また不死者が要求してくる4章以降の金レア素材の入手率はボスドロップ・フィールドレアともに極端に低く、育成自体もギミック性の高い大幻獣討伐が必要とあって、不死者育成が遅れる要因の一つになっています。
オーブまわりが使いにくい
所持数が600720までなので素材集めなどで周回しまくる&定期的にガチャ引いてるとすぐパンパンになってしまいます。オーバー分はプレゼントボックスに入りますが、1週間程度で消滅してしまいます。また合成や売却画面のUIも決して使いやすいとは言えないです。UIについては今後改善する予定があるとの話ですが、まだまだ先になりそうな予感。
ゲームデータの引き継ぎがSNS連携のみ
以前これに関連するトラブルで炎上したことがあって、運営側が急遽アナウンスを出すという事案が発生しています。どうも最近のDeNA製スマホゲーはSNS連携(twitter/facebook/LINE)でしかデータ引き継ぎが出来ないようで、酷いものだとGoogle+にしか対応していないとか。ただ、同じDeNA製でもFFRKやキングダムはモバゲーの一般会員ID(無料)があれば、そこに紐付けしておくことで、機種変更しても登録メールアドレスのみで引き継ぎできるんですよね。こっちの方がSNSやってなくても引き継ぎできると思うんだけどなぁ…。何故DeNAはモバゲーID連携も引継ぎ用ID発行も採用しないで頑なにSNS連携に拘ってるのかよくわからない。モバゲー切り捨てる気なのかな。
タイトル画面

もはや何も言うまい。
ただ5章までクリアするとこのキービジュアルが違うものに変わるし、1周年を迎えた辺りから新たにビジュアルが追加されて、現在は5章クリア前であっても新規に追加された方が出るようになっている(と思う)。というか、この画面に慣れてしまうと別のキービジュアルにした時に物足りなさを感じることがあるw
こんな人におすすめなのです
- メガテニスト
- 神話や天使・悪魔伝承に興味がある人
- ユニット育成が好きな人
- 自分のペースでプレイしたい人
- フレンド機能に疲れてしまった人
個人差はあるけども、遊べば遊ぶほど味が出てくるスルメゲーなので、何はなくとも3章まで進めてくれ…話はそこからだ…! って感じですね。
- この作品で「追放メギド」と呼ばれる分類にいる、ゴエティアに登場する72柱の悪魔たちのこと。これに分類されない、名前の原典が他神話で登場する同名の悪魔または堕天使であるメギド達は「真メギド」に分類される
- なお30回目以降でもメギド出現率はリセットされないらしい。ただし無料召喚及び召喚チケットの場合には適用されず、メギドを引いたら出現率はリセットされる
- 開催中の復刻イベント内で初登場したメギド(リジェネレイト体含む)のピックアップ
- ☆4.5→☆5へ進化する際に必要となる激レア素材。☆5.5→☆6の際には合成して「成」にする為に2つ必要になる
- キューティーヴァイオレンスナンバー5。ファイタークラスの女性メギド(オセ・グレモリー・フルカス・ウヴァル・ウァレフォル)ピックアップ
- 奥義レベル上限が上がる。なお奥義レベルを1上げるごとにレアアイテムと交換できるソピアを10個もらえるのだが、交換レート等を考慮すると現状では最適解とは言いにくい